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復職支援デイケア「リワーク」利用者の声(2025年12月掲載分)

当院の復職支援デイケア「リワーク」をご利用いただいた方よりメッセージをいただきました。
今後、リワークの利用を考えておられる方やそのご家族の方の参考にしていただければと思います。

 

※「リワーク」とは、うつ病などによって休職されている方が職場復帰できるよう体調を整えたり、病気を理解してストレスへの対処法などを身につけたりするためのリハビリテーションの場です。当院の「リワーク」について知りたい方はこちらをご覧ください。

 

H氏(40代~50代 男性)
主治医から休職の条件としてリワークを紹介され、半年の病欠を経て参加した当初は、今の仕事に絶望し転職するつもりでした。ただし、病気の状態では正しい判断ができないと感じ、「とりあえず、元気になってから転職を決意しよう、そのためにリワークに通って元気を取り戻そう」という裏目的を立てて入所しました。
通い始めは新しい学びが多く新鮮で、プログラムを重ねる中で成長を実感しながらモチベーション高く取り組むことができました。復職時期を考える頃になると、当初の“転職”という裏目的に向き合う必要が生じましたが、その時には気持ちに大きな変化が起きていました。リワークでの学びや他のメンバーからの刺激を通して、今の仕事が本当は好きだと再認識し、問題もものの捉え方次第で大きく変わることに気付き、新たな学びで自分の視野が広がったと感じるようになりました。
復職に全く不安がないわけではありませんが、それ以上に自信と安心が芽生えており、リワークに通えたことは大きな財産になったと感じています。

 

I氏(40~50代 女性)
私は酷い鬱状態で入院し、何も考えられず、鬱々と時間が流れていたときに、病棟の作業療法士さんからの勧めで創作活動に取り組んだことをきっかけに、リワークを知りました。以前に復職に失敗した経験から通所をためらっていましたが、「再発防止のためのリハビリ」という言葉を信じ、退院後すぐに参加しました。
リワークでは、運動プログラムや認知行動療法、行動活性化、マインドフルネスなどに取り組み、自分の自動思考の偏りに気づき、バランスのとれた考え方ができるようになりました。気分を立て直す行動の見直しや身体感覚への気づきも深まりました。
また、復職を目指す仲間との出会いは大きな支えとなり、対人面の課題も含めて成長につながったと感じています。今後は再発予防のため、自分のサインに気づきながら無理のない対処を続けていきたいと考えています。リワークに通えて本当に良かったと感じています。

 

J氏(20~30代 女性)
リワークへの参加は半ば勢いだったが、“一度決めたらからにはちゃんと通わなければならない”という完璧主義の思考がうまく作用し、継続して通所できた。通い始めたことでまず生活リズムが整い、精神状態が安定したことで自信がつき、復職への意欲も高まった。当初は復職への恐怖や罪悪感があり消極的だったが、週5日活動できる自分を実感し、「やればできる」という自信が回復した。
プログラムでは、行動活性化・マインドフルネス・認知行動療法が特に役立ち、「ありのままの自分に気づくこと」が最も大きな学びだった。思考のクセを否定するのではなく、気づき、立ち止まり、柔軟な視点を持つことが重要だと理解し、自分を180度変える必要はないと感じられるようになった。
また、他の参加者との意見交換は、自分の考え方の幅を広げ、人の温かさや「人薬」の力を実感する機会となった。半年間のリワークを通じて、自分と付き合う方法を学んだことが最大の収穫だと感じている。復職には不安もあるが、学んだことを“自分を守る道具”として活かし、自分に優しく向き合っていけるようになりたいと思う。

 

 

K氏(40~50代 女性)
今思い返せば、ひとりで自宅療養している時は得体の知れない何かと戦っているような感覚で、“圧倒される”という言葉がいちばん自分の状態を表してくれる言葉でした。
リワークに通い始めてからは共感してくれる仲間や適切な言葉に出会い、その「得体のしれない何か」の正体を少しずつ理解できるようになりました。リワークでは不調を乗り越えるための知識や対処法を学び、復職後も再発しないためのスキルや思考・行動の仕方を身につけることもできました。また、スタッフ皆さんの支援やメンバーの温かい言葉に支えられ、通えなくなった時期も励ましを受けて立ち直ることができました。リワークは新しい自分を見つけるための大切な場所だったと思います。

 

L氏(40~50代 男性)
リワークへ通うにあたり、「せっかく何のしがらみもない場所に身を置くのであれば、何も取り繕わず、本来の自分をさらけ出そう。そして、本来の自分を取り戻そう」と決めて参加しました。自宅療養中に観た映画で「リハビリ=再び自分らしく生きる」という言葉に触れたことがきっかけであり、動けずにいた私の琴線に触れ、復職に向けて取り組むべき目標となりました。
当初は人前で話すことや自己分析への苦手意識から緊張が続いていましたが、取り組みを通じてリワークの意義を理解し、「学べることはすべて受け取ろう」と前向きな姿勢に変化していきました。その結果、長い社会生活で見失っていた自分らしさを徐々に取り戻し、スポーツやイベント運営などを通して「自分はこういう人間だった」と思い出すことができました。
私にとっての復職とは「定年まで勤める!」「第二の人生を謳歌する!」という大きな目標に向けた通過点だと考えています。リワークで得たスキルと取り戻した自分らしさを胸に、今後の人生を前向きに歩んでいきたいと思います。

 

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