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ナーシングセンター八幡健康エッセイ:第3回「腹八分目と御馳走のすすめ」

ナーシングセンター八幡 健康エッセイ:第3回「腹八分目と御馳走のすすめ」

ナーシングセンター八幡健康エッセイ:第3回 「腹八分目と御馳走のすすめ」

粟生(あおう)修司(ナーシングセンター八幡施設長、九州工業大学名誉教授)

昔から言われていることが科学的に証明されるようになりました。その一方でこれまで常識とされていたことが非常識なものになったりします。今回は腹八分目と御馳走について紹介します。

1.健康の基本は腹八分目
昔から腹八分目と言われていますが、科学的にもそれが正しいことがわかっています。自由に食べたいだけ食べる量の6割から8割にカロリーを制限し、ビタミンやミネラルは必要量摂取できていれば、老化で増加するさまざまな病気が起こりにくくなり、寿命が1.5倍から2倍に伸びることがミジンコからサルに至る動物実験で明らかになっています。腹八分目の寿命促進効果です。頭の働きを良くすることもわかっています。

空腹のときに活動する摂食中枢である視床下部外側野を刺激すると活動性が増し、五感が鋭くなり、学習記憶機能が促進し、生体防御機能(免疫能)が増強され、痛みが抑えられ、やる気や快感が生じます。腹八分目は視床下部外側野を無理なく刺激する方法です。

腹八分目は健康の基本であり、科学がそのことを証明するよりはるか昔から人々はそのことを体験的に知っていたわけです。

2.フレイル対策には御馳走
肥満は生活習慣病を起こすので、肥満撲滅キャンペーンが大々的に実施されています。ところが、高齢者では、肥満以上に気をつけないといけないことが見つかりました。フレイル(虚弱状態)です。年齢が進むと、自然に摂食量や運動量が減り、筋肉量が減り、筋力が低下する現象です。太り気味のほうがかえって長生きすることまで明らかになりました。体をよく動かし、筋肉や骨をしっかり保つことが健康な生活を続ける上で重要です。太っていたほうが、骨もしっかりすることも明らかになりました。

蛋白質の豊富な肉や魚は御馳走に欠かせない食材ですが、年が進めばより積極的に食べることが勧められています。年をとると遠慮なくおいしい御馳走を食べていいというわけです。ありがたいことです。

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