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ナーシングセンター八幡健康エッセイ:第8回「コロナワクチン」

ナーシングセンター八幡 健康エッセイ:第8回「コロナワクチン」

ナーシングセンター八幡 健康エッセイ(2021. 夏)
「コロナワクチン」

粟生(あおう)修司(ナーシングセンター八幡施設長、九州工業大学名誉教授)

一時は順調に進んでいるように感じられたコロナワクチン接種が、供給体制に支障がでて、順調には進んでいないようです。オリンピックの前に摂取が終わっていたらとつい思ってしまいます。第5波の真っただ中でのオリンピックで残念であり心配ですが、オリンピックは大盛り上がりです。

今回のワクチンは大急ぎで開発されましたが、従来のやり方とは異なる新しい知識と技術が使われ、驚くほどの速さで完成しました。生ワクチンでもなく、不活化ワクチンでもない、mRNAワクチンです。日本発のワクチンもまもなく使えるようになるのではないでしょうか。

まさに「必要は発明の母」です。この言葉は発明王エジソンの言葉として知られていますが、ガリバー旅行記に出てきた言葉です。「求めよさらば与えられん」という聖書の言葉もあり、「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」という上杉鷹山の言葉もあります。「やればなんとかなる」を示す言葉の数々です。

今回のワクチン開発では遺伝子情報の解析ならびに遺伝子編集技術、そして情報処理技術の進歩が大きく貢献しました。ワクチンは非常に早くできたのに、それを必要なところに迅速に供給できるしくみがしっかりできていませんでした。今後の課題です。①課題(問題)を正しく認識し、②課題解決のための計画をたて、③実行する。④その結果を評価し、次の課題を見つける。これを続けることで世の中は進んでいきますが、事実をきちんと把握することでとはじめて解決につながります。

さて、気がかりなニュースが出ています。南米の変異型ラムダ株に対してワクチンの効果が低いらしいのです。オリンピックで世界中から人々が日本にやってきますが、もしラムダ型が持ち込まれたら新しいワクチンがまた必要になるかもしれません。ワクチン開発の筋道はできているので、ラムダ型に対するワクチンも迅速に開発されることでしょう。インフルエンザワクチンのようにその年流行が予測されるタイプにあわせたワクチンが準備されるようになるのだと思います。しばらくは「イタチごっこ」が続くことを覚悟しないといけないようです。

なお、ワクチン接種後も感染予防対策は続けた方がよいと言われています。マスクやうがいや手洗いでいろいろな感染症が減っています。

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