今回は治療抵抗性統合失調症*のお薬であるクロザピン(商品名クロザリル)を服用されているAさんの体験談を掲載いたします。今後「クロザリル」の服用を検討されている方の参考にしていただければ幸いです。
お薬を始めたきっかけを教えて下さい。
先生、薬剤師さん、他スタッフの皆さんに「絶対合いますよ」とおススメされて(最後の薬ですと…)
お薬を飲んでどうでしたか?
副作用(首がふるえる)などが無くなって、快適な生活がおくれています。また、薬の量も負担が少ないため、こういう細かいところも大事かなと思います。
生活の中で起きた良い変化はありますか?
クロザリルを服用しながら病気を気にせず生活することが大事だと思います。僕の場合、病気=「副作用とのたたかい」だったので、無くなったのはとても良い変化でした。
同じ症状で悩んでいる方へ伝えたいことはありますか?
僕の場合、合う薬に出会うまで時間(年数)がかかりましたが、先生たちに自分の苦しいことなどを伝え、この薬を信じることが大切だと思います。
P.S.「病気=副作用」が無くなりますように
【 Aさんの主治医のコメント 】
Aさんは、30代の時に幻聴や「誰かにつけられている」という妄想が出現して、発病されました。
薬を使うと最初は良くなりましたが、首がこわばって回らなくなったり、口がくちゃくちゃ動いてしまうつらい副作用が現れて、続けられませんでした。
それで何度も薬を変えましたが、どれも副作用で合わずに中断してしまい、結果として何度も入院することになりました。
クロザリルの導入に同意され、クロザリルを開始し、200㎎まで増やしたところ、これが効果を発揮して、幻聴や妄想もなくなり、首のこわばりや口が自動的に動いてしまう症状も全く現れませんでした。
以前は薬を飲みたくない気持ちが強かったのですが、病気に対する理解も深まり、今では自ら必要性を理解し、服用を継続され、元気に通院を続けています。
合う薬がなかなか見つからず、ご本人もつらい思いをされたと思いますが、クロザリルが精神症状にも、副作用にもよく効いて、その結果治療の継続にもつながっていると思います。
*統合失調症の患者さんのなかには、これまで2種類以上の薬を試したがあまり効果がなかった、足がむずむずする・手足がふるえるなどの副作用のために十分に薬を使えなかった、という方がいらっしゃいます。このような状態を治療抵抗性統合失調症といい、統合失調症患者さんの約10~30%にみられると考えられています。治療抵抗性統合失調症の患者さんに唯一効果が認められているのが、クロザピン(商品名クロザリル)です。
※八幡厚生病院のクロザリル治療について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。