八幡厚生病院について

当院で受けることのできる専門治療

当院ではご利用者の治療や社会復帰を支援するために、様々な専門的な治療やリハビリを実施しています。 ここではその一部を紹介します。

精神療法

精神科医が患者さんと対話しながらその訴えに耳を傾け、病気の状態を評価・診断します。その結果を受けて複数の治療法を提案し、患者さんとともに治療を進めていくことになります。精神療法の進め方や方法については、担当医師によって多少異なりますが、まずは医師と患者さんとの信頼関係を築き、深めていくことが基本となります。

薬物療法

近年、精神科における薬物療法は飛躍的な進化を遂げています。これまでの錠剤、カプセル剤に加え、液剤、成分がゆっくりと溶け出すことで服用回数が減らせる徐放剤、長期持続型の注射剤など多種多様な剤型が登場し、服薬の選択肢が広がりました。 精神科医は患者さんに効果があると考えられる薬物を選び、病状説明とともに薬物効果や副作用をていねいに説明します。 このように、患者さんに納得していただいたうえで処方内容を決定していきます。

クロザピン治療

これまで2種類以上の薬を試したがあまり効果がなかった、足がむずむずする・手足がふるえるなどの副作用のために十分に薬を使えなかったという「治療抵抗性統合失調症」の方に対して唯一効果が認められているのがクロザピン(商品名:クロザリル)です。当院は、クロザリルの登録医療機関です。詳しくはこちら

修正型電気けいれん療法(m-ECT)

2021年4月より当面の間、中止いたします。

作業療法

病気により生活に支障をきたすようになった方が、その人らしく、より良い生活が送れるよう作業療法を通して支援します。スポーツや創作活動、レクリエーション、学習会など、個人に合ったプログラムを多数用意しており、①症状の安定や理解 ②人との関わり方の改善 ③日常生活の維持や向上 ④社会復帰などをめざして、一緒に取り組んでいきます。なお、作業療法はデイケアのご利用者のほか、入院中・外来通院中の方を対象に行われています。

SST(対人技能訓練)

コミュニケーションの方法や問題への対処法など、生活に必要な技術を身につけていくリハビリテーションです。 当院では、精神科デイケアB病棟アディクションユニットB病棟ストレスケアユニットリワークにてSSTが行われています。

認知行動療法(CBT)

「気分は物事の受け取り方に影響される」という考えに基づく精神療法です。 バランスのとれた考えができるようにすることで、落ち込みや不安などのつらい気分を改善させ、ストレスに対処する力を高めていきます。

アディクション・リハビリテーション・プログラム(ARP)

当院では、依存症専門病棟に入院している主にアルコール依存症やギャンブル依存症の方を対象に、専門医の管理のもと、ミーティング、精神療法、個別面談、認知行動療法、マインドフルネス、SSTなど様々な技法を取り入れた依存症からの回復プログラムを実施しています。退院後も専門デイケアや地域の社会資源へのつなげ、社会復帰や回復の手伝いをします。
当院の依存症治療について詳しく知りたい方はこちら

摂食障害治療プログラム

当院B病棟において、専門医の管理のもと多職種が協働して摂食障害の方を対象とした専門治療プログラムを実施しています。退院後は外来通院やデイケア参加をしながら継続的な治療を受けることもできます。
当院の摂食障害治療について詳しく知りたい方はこちら

弁証法的行動療法(DBT)

制御しきれない感情の暴走を穏やかにし、自分に優しい行動がとれるスキルを身につける精神療法です。 自分の感情を理解し、感情をコントロールするためのスキルを身につけます。また、感情をコントロールすることで、引き起こされる行動も変化させます。 集団療法の形では、摂食障害治療病棟精神科デイケアの摂食障害の患者さんを対象に「DBT実り」(主にB病棟摂食障害ユニットに入院中の方)、「DBTめぐみ」(主にデイケア通所中の摂食障害の方)というプログラムが実施されています。

マインドフルネス

「自分の身体」や「気持ち(気分)の状態」に気づく力をはぐくむ、「こころのエクササイズ」です。「今この瞬間の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れることができるようなエクササイズ」を行います。えんえんと続くグルグル思考や辛い感情の波、強い衝動に対処できる技術、しなやかな心を養い、ストレスや生活上の問題に左右されず、落ち着いた気持ちで生活できるようになることをめざします。 当院では復職支援デイケア「リワーク」依存症治療病棟、そして摂食障害治療病棟に入院中の方を対象に実施しています。

発達障害の心理教育

発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD等)の特性や対処法について学ぶとともに、病気について理解したり、共感したりしながら、それぞれがより良い生活の仕方を考えていきます。当院では精神科デイケアにおいて実施しています。

行動活性化

うつ病をはじめとする気分障害の専門療法です。何もやる気が起きないとき、まずは少し楽しいこと、達成感が得られることから始めることが重要です。一緒に、気分を良くする行動を探していき、うつに負けない生活に整えていきます。グループの形では復職支援デイケア「リワーク」ストレスケア病棟において実施されています。

カウンセリング(個別心理療法)

主に心理的な問題や課題を抱えている方を対象に、臨床心理士が個別にカウンセリングを行っています。目標や期間を決めて、その方の困りごとや症状に合わせた方法や技法を用いて心の回復や目標の達成を目指します。すべての方が対象となるわけではありませんので、カウンセリングを希望される方はまずは主治医にご相談ください。