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中国南京市 青龍山精神病院との交流体験記 (2016年春)

2014年11月を第一期とした、青龍山精神病院との交流研修がスタートし、2015年度は事情により研修が1回とびましたので、2016年は年度初めの5月には、第二期の研修生5名(医師2名、看護師3名)の受け入れが決定しています。

南京市内の大学南京市内の大学:ムラサキハナナ(大紫羅欄花)の群生

2015年は春・夏の2回にわたって中国南京市青龍山精神病院を訪れ、交流研修(ディスカッション・公園・施設見学・入院患者さんとの昼食会を含めた交流)を行いました。2回とも暖かく迎え入れていただき、大変有意義な体験をさせていただきました。

今回は、2016年3月21日~24日までの4日間、齊藤理事長(4月より病院長を退き、併設の老人保健施設長職に就任しました)他、看護師2名の計3名で、南京を私的訪問し、障がい者リハビリテーションセンターの現在と認知症センターの進み具合などを見てきました。ずっとEメールでの情報のやり取りがありましたので、青龍山精神病院の王院長、呂医師、外事委の張宏さん(今回も通訳をかってでていただきました)から、日々の様子などを伺っていましたし、前回の研修生の活躍ぶりの報告があり、八幡厚生病院としても受け入れ側としての成果を強く感じています。今回の訪問は私的なものでしたが、変わらず熱烈な歓迎ぶりに恐縮してしまいました。「人との関わりを大事にする」中国の方の国民性を肌で感じました。

青龍山精神病院60周年記念青龍山精神病院60周年記念

4日間といいましても、初日は、夕方からの出発(南京までの直行便がありがたい)、2日目は観光、3日目はAMにディスカッション、PMはリハビリテーションセンターと認知症センターの見学、4日目は観光後昼過ぎの便で帰国という流れでした。ずっと客人として厚くおもてなしをうけました。

青龍山精神病院は1952年に建てられ、今年で創立64年を迎えています。敷地面積は125,700㎡(広すぎて、どう例えてよいのかわかりません)、病院近くに認知症センターが建てられ、すでにベッドや、床頭台、備え付けのタンスなどがあり、病院らしさが整っていました。1回目の訪問前には、病院ではなく、「認知症の人の入居施設」をイメージしていたのですが、実際は1床毎に酸素吸入と吸引設備がないと許可されないということで、病院らしい建物となっていたようです。初の認知症の人の専門的な治療・検査・リハビリ等の整った施設という点では、期待が大きくやりがいがあるということです。位置的には、街から程遠い山の麓に位置していますので、面会も大変そうです。「地域の人に見ていただいたら、安心していただけそうですね」と何気なく洩らしたら、『それは良いアイディアですね』と王院長からありました。青龍山精神病院に入院中の高齢者、地域の病院からの受け入れが半分半分になる予定ではあるけれど、具体的にはまだ詰めていない状況だそうです。

障がい者リハビリセンターは、街の中にあり、周囲は高層マンションやオフィスビルが立ち並び、現在建設中の建物も高層ビルのようだし、地域に密着した事業所だと認識したもらえるのか、支えあいの体制?なども少し心配になります。一緒に訪問した看護師は、「15年前に観光できたときに比べ、街が近代的になっている。」と感じたと話していました。現在通所している方は、主に絵画やカード等を楽しまれているようです。絵画作品は本になっていました。この先は、もっと、生産的なメニューも入ってきそうです。

センターでは、親子(母と青年:知的障碍の方)の姿が印象的でした。お母さんが、息子さんの活動の様子や、私たちをカメラに収めていました。とても嬉しそうな様子に、これまでに、このような息子さんの活動の場がなかったのでしょうと、思いを馳せることができたひとときでした。この先は、都会に限らず、町中、田舎の住み慣れた顔見知りの人のいる地域での活動の場が増えてくることを望みます。

青龍山精神病院青龍山精神病院60周年記念

青龍山精神病院入院中の患者さんをはじめ、リハビリセンターにしろ、認知症センターにしろ対象者は貧しい方が多く、退院促進・社会復帰、地域での生活支援など運営費や利用料など課題は多いようです。これらの取り組みは、江蘇省人代の理解も得られていますので、少しずつですが確実な前進が期待できそうです。

第2回の研修生は、2016年5月第2週以降、3カ月を予定しています。研修前に私たちが学んだことは、「招聘状と査証取得のための書類準備」でした。それまで、人任せにしていたものを、抜かりなくやることが、少し緊張状態であったこと、今回の南京訪問も漢字とジェスチャー、片言の英語で何とか乗り切ろうと、中国語の発問もさっぱり勉強もせず、あなた任せで出発したことに、もう少す流暢にコミュニケーションがとれたら、もっと通じ合えたらいいという思いが残ります。研修生もに日本語の勉強を頑張ってしているそうですが、まだ不十分ですと。(*^^)v

これから、福岡県の医療・福祉施設見学、家族会、リハビリテーション関係との交流を進めていきます。関係各所の方々には、お世話になりますが、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

看護部長 林田

第一期研修生と再会第1期研修生と空港で再開

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