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復職支援デイケア「リワーク」利用者の声(2023年12月掲載分)

当院の復職支援デイケア「リワーク」を利用していただいた方からメッセージをいただきました。今後、リワークの利用を考えておられる方やそのご家族の方の参考にしていただければと思います。

※「リワーク」とは、うつ病などによって休職されている方が職場復帰できるよう体調を整えたり、病気を理解してストレスへの対処法などを身につけたりするためのリハビリテーションの場です。当院の「リワーク」について知りたい方はこちらをご覧ください。

A氏(20代~30代 女性)
リワークの利用を行うにあたり主治医と「人と過度に比べて自分を批判しない練習をする」という話しをした。病気に陥ってしまったことの根底にある自己肯定感の低さや思考の癖を捉えて自分自身を受け入れることが回復を目指すうえでのテーマの一つであった。

第一段階として、発言時の声を大きくする、終了時の感想を最後まで声を張って述べることに取り組んだ。簡単に思えたが、自分の中で恥辱感や不安など様々な感情を感じていた。このことから、自分自身が自己批判的な思考を持っていること、他者を気にしている、行動を起こすことをためらうことがあると改めて知ることが出来た。

活動を通じて得られたことは、視野を広げて物事を捉える方法、自分の思考や行動を客観視して改善するための方法である。思考と行動の関連を知り、行動を変化させることや視野を広げる練習を実践できたことで柔軟に考え物事に対処するための引き出しが増えたように感じる。これからも試行錯誤を繰り返して少しずつ課題を克服していく毎日が続いていくという思考に至ったことで不安はあるものの慢心せず気負い過ぎず復職を捉えることができた。

以前は自分の考えに縛られ、他人からの助言に耳を傾けることを恐れ、変化することが苦手であったが、周囲の支援のおかげで固定観念にとらわれず自分を否定し過ぎない柔軟な思考を学ぶことができた。この数ヶ月を振り返ると自分がほんの少し変化している気がする。この気付きを忘れずこれからの生活に役立てたい。

B氏(30代~40代 男性)
生活リズムを整えながらリワークへ通い、これまで7ヶ月間を集団の中で過ごし活動を継続出来た事は、私自身の大きな自信と希望に繋がると思います。

また、再発予防プログラム(行動活性化やマインドフルネス、認知行動療法等)を学び、繰り返し練習をしてきた事も、私の今後の日常生活において非常に大きな助けになると思います。学んできた事や経験してきた事を、日常生活に取り入れて習慣化し、行動していけば、道は拓けてくると信じています。ただ、ガチガチに習慣化して固めていくのも、長い目で見るとストレスになる事もあると思うので、そういう時は“時間が無いから、また明日しよう”とか、“今日は仕方がないか”という臨機応変さも必要になってくると思います。

“もう1度自分を信じて、また自分自身と向き合いながら仕事をやってみよう!”と思わせてくれた家族をはじめ、病院関係者の方々、そしてリワークのメンバーさんに感謝を申し上げます。

C氏(40代~50代 女性)
うつ病の悪化に伴い、休職期間に入り、2ヶ月の自宅療養を経て、リワーク通所を開始しました。通所当時は、意欲がわかずに自炊を怠ってしまい偏った食事内容でしたし、運動不足も慢性化していました。

次第に、体を動かすことが気分転換になって楽しめるようにもなり、病気の悪化時には避けていた人との関りが発生することで、失われていた社会性も取り戻せていたように思います。

他のプログラムでは、病気の悪化や再発の予防、コミュニケーションスキル向上、グループでの共同作業、病気に対する知識向上などを学び、肝要だと思うのは、冷静に自身の状態を把握することで、自身で気付き行動すること、行動の結果が伴わなくても過程に評価できる場合もあること、などです。

真面目であったり、責任感が強かったり、何事も完璧にこなす、全力で行う・・・そういった一見長所のような性格・性質も、自らの感情に鈍感になり身体も犠牲にしがちです。だからこそ、気分転換やリラックス、趣味を意識的に日常的に取り入れ、ストレスに対処する術を身に付けることが重要であり、リワークは自分に合った方法を模索する場でありました。

復職はゴールではなく、スタートです。リワークで学んだ術を活かし、退職までの長い労働人生をしたたかに、そして、しなやかに生きていきたいと思います。

【 バックナンバー 】
2023年4月掲載分
2023年8月掲載分

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